エア用電磁弁が動かない!確認したい4つのポイント

「設備を動かしても、エアシリンダーが動かない」「電磁弁が切り替わっていないように見える」。突然設備が止まると、電磁弁を交換すれば直るのか、それとも別の場所に原因があるのか、判断に迷うことがあります。

電磁弁の周辺では、電気が届いていない、エアが供給されていない、弁の内部が固着しているなど、いくつかの原因が考えられます。交換する前に「電気 → エア → 電磁弁本体 → コイル」の順に確認すると、原因を絞り込みやすくなります。

この記事では、工場のエア用電磁弁が動かないときに、設備担当者が押さえておきたい4つの確認ポイントを紹介します。

工場設備に設置された電磁弁とエア供給機器、周辺の配管・配線

電磁弁は、エアの流れを切り替える機器

エアシリンダーを使う設備では、電磁弁が電気信号を受けてエアの流れを切り替え、シリンダーの動きを制御しています。コイルは、電気を受けて磁力を生み、弁の切り替えに関わる部分です。

そのため、シリンダーが動かなくなったときは、電磁弁本体の状態に加えて、電気とエアが正常に届いているかを確認することが大切です。

エアの力でロッドを動かすエアシリンダーのイラスト
エアシリンダーのイメージです。電磁弁によるエアの切り替えが、設備の動作につながります。

点検を始める前に:電圧測定や手動操作は、設備の安全手順とメーカーの取扱説明書に従い、対応できる保全担当者・専門業者が行ってください。手動操作でシリンダーなどが突然動くことがあります。配線の取り外しや機器の取り外し・分解は、電源とエアを遮断し、残圧を排出してから行います。

① 電気は電磁弁まで届いているか

まず確認したいのは、動作指令が出ているときに、コイル端子へ仕様に合った電圧が供給されているかです。設備の電源が入っていることと、電磁弁に電気が届いていることを分けて確認します。

  • コイル端子の電圧:銘板や仕様書の定格電圧と照らし合わせ、メーカーが定める範囲に入っているか。
  • 配線・接続部:断線や接触不良がないか。
  • 出力信号・インターロック:電磁弁を動かす信号が出ているか、設備の動作条件が満たされているか。

インターロックとは、所定の条件がそろったときに設備の動作を許可する仕組みです。電磁弁への出力が止まっている場合は、その条件も確認します。安全装置を解除・短絡して動かすことは避けてください。

電気が届いていなければ、配線や信号の確認が先になります。電圧の仕様は機種によって異なるため、「電磁弁はすべて同じ電圧」と考えず、使用機種の表示を確認します。

② エアは正常に供給されているか

電気側とあわせて、エアの供給状態を確認します。電磁弁に電気が届いていても、必要なエアが供給されていなければ、設備は正常に動きません。

  • 供給圧力:電磁弁や設備の仕様に合った圧力になっているか。
  • フィルタ:目詰まりがないか。
  • 配管・排気側:エアの通り道に詰まりがないか。
エア供給部分に設置された圧力計とフィルタなどの空気圧機器
エア供給部分の設置例です。圧力表示やフィルタなど、電磁弁の手前にある機器も確認します。

圧力計の数値を見たときは、「圧力が出ているか」に加え、「使用している機器の必要圧力に合っているか」を確認します。フィルタや配管、排気側も含めて、エアの流れを確認していきます。

③ 電磁弁本体は切り替わるか

電気とエアの供給を確認したら、電磁弁本体の状態を見ていきます。手動操作部がある機種では、取扱説明書に従って、手動で切り替わるかを確認します。

複数のエア用電磁弁をまとめて取り付けたマニホールドのイラスト
複数の電磁弁を取り付けたイメージ。手動操作の方法は、使用している機種の取扱説明書で確認してください。
  • 手動操作:メーカーが指定する方法で切り替わるか。
  • 異物・水分:弁の内部に噛み込みが起きている可能性はないか。
  • スプールの固着:内部でエアの通り道を切り替える部品が、動かなくなっていないか。

手動操作で切り替わる場合は、コイルや電気信号側を確認する手掛かりになります。手動でも切り替わらない場合は、必要なエアが供給されているかを再確認したうえで、弁本体の固着などを検討します。

異物や水分の噛み込み、スプールの固着は、外観だけでは分からないことがあります。内部の確認が必要な場合は、機種ごとの点検方法を確認し、保全担当者や専門業者に引き継ぎます。

④ コイルに断線・焼損などの異常はないか

最後に、コイル自体の状態と仕様を確認します。電気が供給されていても、コイルが断線・焼損していれば、正常な切り替えにつながりません。

  • コイルの状態:断線、焼損、変色がないか。
  • 電圧の仕様:使用している電源と、コイルの電圧・交流(AC)/直流(DC)の仕様が合っているか。

①では「電気が正常に届いているか」、④では「電気を受けるコイル自体に異常がないか」を確認します。交換する場合も、元の機器の型式や電圧などの仕様を確認して選定します。

修理の相談前に整理しておきたいポイント

現場ですべての原因を特定できなくても、症状と確認できた内容が分かれば、次の点検を進めやすくなります。相談するときは、分かる範囲で次の内容をお伝えください。

  • 止まっている動作:どの設備の、どの動きが止まっているか。
  • 発生した時期:いつから、どのような状況で起きたか。
  • 確認済みの内容:電気、エア、手動操作、コイルについて、何を確認できたか。
  • 機器の情報:電磁弁の型式・電圧表示や、周辺機器が分かる写真。

「未確認」の項目があっても構いません。確認できたことと、これから確認が必要なことを分けて伝えることが、原因を絞り込む助けになります。

まとめ

エア用電磁弁が動かないときは、電気が届いているか、エアが供給されているか、弁本体が切り替わるか、コイルに異常がないかを順番に確認します。交換を決める前に、電気・エア・機器のどこに問題があるかを整理することが、適切な修理や交換につながります。

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技術参考:SMC「トラブルチェックシート 基本空気圧回路:動かない場合」(電源・供給圧力・手動操作・異物や排気側の詰まりなどの確認項目)